北極で、なにがおきてるの?

2024年4月出版の『北極で、なにがおきてるの?ー気候変動をめぐるタラ号の科学探検』は、北極圏における地球温暖化の影響を調査したタラ号北極プロジェクトでの実際の探査を元に描かれたバンド・デシネ(漫画本)。地球温暖化の最前線である北極で起こっていることを知ることができ、またそれは決して他人事ではないということを楽しみながら読める一冊です。

「この暑さは北極では普通なの?」
「すべてが終わったわけじゃないよ 大人たちにも行動を起こしてもらおう!」
「私たちは世界を終わらせるつもりはないよ!」
「何もしなければ数十年以内には夏に海氷がほとんどなくなってしまう」

本書は2021年5月にフランスで出版された『Le Réchauffement Climatique: Mission Tara En Arctique』の日本語翻訳版です。実在する科学探査船タラ号の北極プロジェクト(2006~2008年)をヒントに作られています。

物語の主人公は、タラ号の北極圏での探査プロジェクトに参加すべく世界中から集まった、4人の子どもたち。タラ号の科学者やクルーから北極圏をめぐる様々な問題について学び、地球温暖化の影響を顕著に受けた北極海を目の当たりにすることで、自ら考え行動を起こし、成長していく物語です。

地球温暖化の最前線である北極で起こっていることを知ることができ、またそれは決して他人事ではないということを楽しみながら読める一冊です。

2023年、タラ号プロジェクトは20周年を迎えました。この節目の時に、タラ号プロジェクトの原点である北極をテーマにしたバンド・デシネを出版することで、一人でも多くの読者が、気候変動の問題を他人事ではなく自分事としてとらえ、気候変動への対策を考えるきっかけとなることを望んでいます。

定価:1,650円(税込)

著者:ルーシー・ルモワン/シルバン・ドランジュ

訳者:パトゥイエ由美子/小澤友紀

発行:花伝社

60ページ

著者

1990年代、本、バンド・デシネ、ビデオゲーム、森に囲まれて育つ。社会を席巻するアクティ ビズムに関心をもち創作活動を行うフェミニスト。著作に、Les Aventureurs(éditions Milan)。 2020 年、短編小説コンテストÉmergences!で優勝。

ルーシー・ルモワン Lucie Le Moine

1977年生まれ。ストラスブールの装飾美術学校を卒業。主な作品に、友人のジャック・マティ スの自伝を自由に脚色した Psychotique(La Boîte à bulles)、ナチス戦犯追及者の戦いを辿ったパ スカル・ブレッソン原作の Serge et Béate Klarsfeld, un combat contre l’oubl など。

シルバン・ドランジュ Sylvain Dorange

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