
沿岸の生態系を発見する
汚染物質が海洋生物多様性に与える影響をよりよく理解する
地域および地球規模の気候変動がマイクロバイオーム(微生物叢)に与える影響を予測する
存在する微生物を把握、分類・マッピングし、各生物種の相互作用と役割を明確にする
新たな相互作用や新種を発見する
科学探査船タラ号は、ヨーロッパ沿岸の生態系の研究に今後2年間連続で参加します。タラ号ヨーロッパプロジェクトのサンプリングは、欧州分子生物学研究所(EMBL)がTara Oceansコンソーシアム、タラ オセアン財団、他70以上の科学機関と共同で構想したTREC探査プログラム(Traversing European Coastlines/ヨーロッパ沿岸生態系研究)の一環です。この探査では、EMBLの移動研究室による陸上での生物多様性の研究と、タラ号による海上の生物多様性の研究が並行して行われます。

概要
陸と海からの探査
ヨーロッパの海岸線は、生物多様性、産業、文化遺産、自然遺産に恵まれた環境です。ヨーロッパの人口の40%は沿岸地域に住んでいます。海や海岸は、極めて豊かな生物の多様性を育み、より広い生態系の安定と持続可能性に不可欠な役割を担っています。
汚染物質に関する前例のない研究
汚染物質は、人間の消費、特に工業、農業、家庭、病院から環境に入り込みます。探査の研究者たちは、陸と海の境界における汚染勾配を調べるために、汚染物質をに3つのカテゴリーに分け焦点を当てました。
医薬品
水資源からは4000種類以上の医薬成分が検出されています。規制当局の調査では、分解される製品はまったく考慮されていません。しかし、これらの製品は、たとえ副産物として分解されたとしても、生態系に影響を与える可能性があります。例えば、抗生物質はすべての下水道を通過し、自然界に抗生物質耐性を発生させる心配があります。
農薬
汚染物質がバクテリアによってどのように代謝され、どのような副産物ができるかを理解するために、EMBLでは、1000種類以上の農薬が実験室で研究されています。TRECとタラ号ヨーロッパプロジェクトが実施するフィールド調査により、科学者は仮説とモデルを検証することができるようになる予定です。
プラスチック添加剤
タラ号ヨーロッパプロジェクトでは、科学者たちが二つの主要な可塑剤のグループを研究し、これらの分子を分解することができるバクテリアを分離することを目指します。7つの研究室が協力して、これらの添加物の化学的プロファイリングを行う予定です。
医薬品、農薬、プラスチックの環境中への蓄積は、生態系と人間の健康に対する脅威を増大させています。人間が環境に投入したものはすべて、呼吸する空気、飲み水、食べ物を通して人間に返ってきます。つまり、その程度と健康への影響を理解することが急務なのです。


4/29~5/29 タラ オセアン ジャパンとアニエスベーが瀬戸田をジャックします!

