agnès b. presents タラ号ポスターコンクール 2026

応募概要 応募資格:⼩学1年⽣から中学3年生まで応募期間:2026年7⽉20⽇(月・祝) 〜 8⽉24⽇(日)テーマ :海や地球環境を良くするためにできること 応募方法STEP1タラ号の活動や海で起こっていることを知りましょう。 参考資料:北極で、なにがおきてるの?こどもタラ新聞ブルーカーボンってなあに?タラ極地ステーション STEP2応募フォーマットを1種類選び、テーマに沿ったスローガンを必ず入れて、自由なデザインでタラ号のポスターを作ってください。応募フォーマットは、線画5種類または自由形式から選べます。自由形式の場合は、お手持ちの用紙をお使いいただけますが、タラ号またはタラ極地ステーションの絵を必ず入れてください。※作品の大きさはA4~A3とします。 STEP3応募フォームに必要事項を記入し、応募作品の写真を添付して応募してください。※作品画像のファイル名は、お子様のお名前(フルネーム・漢字)でご登録ください。※お送りいただいた作品のデータは、選考・Instagram掲載・展示に使用します。そのため、きれいに保存ができるスキャンや高画質な写真でのご応募をおすすめします。(1作品につき5MGまで。団体応募の場合はZIP形式で全体20MGまで)写真撮影の際には、ポスターを正面から綺麗に撮影していただきますようお願いいたします。歪みやズレを防ぐには、スマートフォンのグリッド線(格子)を表示させてポスターの枠と平行に合わせ、スマートフォンの影が映らないように照明の位置を調整することをおすすめします。 お一人につきご応募は1作品、1回までとなります。※応募にあたり応募規約を必ずご確認ください。 表彰 <特別賞>(各1名)日比野克彦 賞アニエスベー 賞タラ オセアン 賞受賞者は、瀬戸内海に浮かぶ環境とアートの離島「粟島(香川県三豊市)」で行う「粟島海洋環境クラブ合宿(1泊)」にペアでご招待します。<佳作>10名程度<入選>10名程度 【参加賞】応募者全員にタラ オセアン ジャパンとアニエスベーが日本語吹替版制作に参画したドキュメンタリー映画「マイクロプラスチック・ストーリー ~ぼくらが作る2050年」のオンライン鑑賞権をプレゼント応募締切後、2026年8月28日(金)までに、応募フォームでご入力いただいたメールアドレスにご連絡いたします。 【結果発表】2026年9月7日(月) ~ 9月9日(水)アニエスベージャパン、タラ オセアン ジャパンの審査チーム及び日比野克彦氏(東京藝術大学学長、タラ オセアン ジャパン理事)が選考を行い、賞を決定いたします。 入選以上の受賞者へはメールでの通知および後日公開するアニエスベージャパン・タラ オセアン ジャパンのメディアでの発表といたします。入選外の方への通知は省略させていただきます。 ※特別賞・佳作の受賞者には授賞式のご招待をメールで差し上げます。※ご登録のメールアドレス誤りによる連絡不能、長期不在等の理由により、入選ご連絡後のやり取りができない場合は、入賞を取り消させていただく場合がございますので、ご注意ください。 【授賞式】2026年9月26日(土) 14:00-15:00 都内にて佳作以上の受賞者をご招待いたします。※授賞式ご参加の往復交通費はご自身でご負担をお願いします SNSでの拡散にご協力ください ! ぜひご応募された作品をご自身のSNSアカウントでも投稿し、拡散にご協力ください。 その際は、 [#タラ号ポスターコンクール2026 ][ #アニエスベーアンファン ][ #agnesb ] をつけていただきますようお願いいたします。 線画ダウンロード 海やタラ オセアンのことをもっと知る 過去のポスターコンクール

Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクト浅虫調査・啓発イベントレポート

海藻や海草などによって構成されるブルーカーボン生態系は、光合成によって二酸化炭素を吸収し、酸素を生み出すことから、地球温暖化対策への貢献が期待されています。また、さまざまな海洋生物のすみかとなることから、「生物のゆりかご」とも呼ばれています。  Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクトはまだ十分に解明されていないブルーカーボン生態系における炭素循環の仕組みを科学的に調査するとともに、その重要性を広く伝えることを目的としています。   3年目を迎えた本プロジェクトでは、これまでの海藻に加え、今年から海草も調査対象に加えました。 浅虫調査は、6月22日から6月27日まで東北大学大学院生命科学研究科附属浅虫海洋生物学教育研究センターを拠点に行われました。 調査 今回の調査場所は、浅虫海洋生物学教育研究センターから船で10分ほど青森市内方面に進んだ大浦湾です。アマモは全国的に減少傾向にありますが、この海域には太く丈夫なアマモが広く群生していました。 調査期間中は、初日に船着き場付近のうねりの影響で調査を中止したほか、25日には岩手県沖を震源とする大きな地震も発生しました。それでも、それ以外の日は比較的天候に恵まれ、予定していた調査を無事に終えることができました。 アーティストは東京藝術大学、芸術未來研究場の特任准教授の中山開さんと同大学内の公募で選ばれた林蓮実さん(音楽環境創造科 助手)の2名が参加しました。 船上での採水やラボでのサンプル処理など、研究者とともに実際の調査に参加しながら、海の現場を多角的に体験しました。 林さんは、今回調査に参加してみて海の表面だけしかみていなかったことを実感したといいます。調査中に拾った流木や、サンプル処理後の海水などを持ち帰り、作品制作に生かす予定です。今回の調査での体験が、今後どのような作品へとつながっていくのか楽しみです。 啓発イベント 最終日には、一般向けの啓発イベントを行いました。 はじめにセンターを出てすぐの海岸をクリーンアップ。南にある台風の影響で、青森も風が強く波があったので、10分程度の清掃時間でしたが、それでもたくさんのごみを拾うことができました。特に目立ったのはペットボトルでした。たくさん使えば使うほどこのように海に流れ着いてしまうこと、木や石の下に拾い切れない劣化して細かくなったプラスチックを含む多くのごみも挟まっていたことから、海岸清掃は大切ですが、それだけでは問題を解決できないこと、使い捨てプラスチックの使用を減らす努力も大切なことを参加者と共有しました。 その後、室内に移動しセミナーと実験・観察をしました。タラ オセアンの活動の発表の中では、前プロジェクトのマイクロプラスチック共同調査で以前浅虫を訪れたこと、またその調査結果も紹介しました。ブルーカーボン生態系の生きもの観察では、子どもたちが他の子にも見せてあげたり、交流している姿が印象的でした。 参加者からは 「小さな貝が可愛かった。」 「海や地球、生態系に負荷をかけない、できるだけ自然に寄り添った暮らしをしたい。」  などの感想を頂きました。 啓発イベントにご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。 また受け入れ対応してくださった東北大学のみなさま、ありがとうございました。  浅虫は豊かな海だけでなく温泉でも知られ、8月にはねぶた祭の会場にもなります。自然と文化を一緒に楽しめる地域なので、この夏ぜひ訪れてみてください。 

イベント情報:「海の森のヒミツを科学でひもとく!ブルーカーボン生態系を学ぼう」in 北海道・厚岸

「Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクト」は、海藻や海草などによって構成される“ブルーカーボン生態系”の科学的調査と、その重要性を広く伝えることを目的としたプロジェクトです。全国各地の調査拠点では、研究活動に加え、地域の皆さまを対象とした海洋教育・啓発イベントも実施しています。厚岸では2024年に海藻を対象とした調査と海洋教育イベントを実施しました。今回は調査対象を海草であるアマモ場へと広げ、その生態やブルーカーボン生態系としての役割について学びます。  ・「海藻」と「海草」の違いって、なに? ・アマモは海の中でどのように二酸化炭素を吸収しているの? こうした疑問について 、セミナーやビーチクリーン、生き物観察、光合成実験などを通して、ブルーカーボン生態系の仕組みや役割を体験的に学びます。前回参加者からは、「ビーチクリーンでごみの種類や分別について学ぶことができた」「さまざまな生き物を観察できて面白かった」といった感想が寄せられました。初めて参加する方はもちろん、2024年のイベントに参加した方にも新たな発見がある内容です。  科学の視点から海とふれあいながら、地域の豊かな自然や海の未来について考える機会をお届けします。 海の森のヒミツを科学でひもとく!ブルーカーボン生態系を学ぼう 日時: 2026年8月1日 (土) 09:00-12:00 受付 08:50-集合場所: 厚岸町温水プール 駐車場   北海道厚岸郡厚岸町湾月1丁目1番地※バラサン岬の海岸でビーチクリーン後、厚岸臨海実験所へ各自自家用車で移動していただきます解散場所: 北海道大学 厚岸臨海実験所   北海道厚岸郡厚岸町愛冠1番地   ※ネイパル厚岸に駐車可能です。臨海実験所までは徒歩15分  ※ネイパル厚岸から実験所までピストン輸送します 定員: 30名程度対象: 小学生以上(大人だけの参加も歓迎 )参加費無料 ▼持ち物・服装飲み物(マイボトル/水筒で)・軍手お子さまは室内用の上履き/スリッパ動きやすい服装・日よけ対策 申込締切:2026年7月30日(木)/定員に達し次第受付終了 主催: タラ オセアン ジャパン/ JAMBIO  協力: 北海道大学厚岸臨海実験所/ 厚岸町海事記念館 

Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクト長崎調査・啓発イベントレポート

3年目を迎えたTara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクトでは、これまでの海藻に加え、今年から海草も調査対象に加えました。 長崎調査は、5月31日から6月6日まで長崎大学環東シナ海環境資源研究センターを拠点に行われました。 調査 今回の調査場所は、長崎大学環東シナ海環境資源研究センターから車で1時間ほどの場所にある、長崎県中央部の内海・大村湾です。 外海とは狭い入口でつながる閉鎖的な海で、湾内には長崎空港があります。この海域にはアマモやウミヒルモが生育しています。かつてはナマコ漁が盛んでしたが、近年は環境の変化によりナマコが大きく減少しているといいます。  調査はアマモを中心に行われました。 昨年は海藻を対象に調査を行ったため、海草の調査は2024年の竹原調査以来となります。 海藻と海草とでは研究内容や調査方法も少し変わるため、慣れない作業が続きました。 また、調査期間中は梅雨の時期と重なり、台風の影響による中止が1日、悪天候による中止が1日ありました。  天候や作業の調整でイレギュラーな対応が求められましたが、無事に主要な調査は終えることができました。 アート アーティストは東京藝術大学の修士過程を終えた有村聡美さんと同大学、芸術未來研究場の特任准教授でTARA JAMBIO ART PROJECTを担当してくださっている井上裕史さんの2名が参加しました。 今回は船の定員の関係で、アーティストが調査船に乗る機会は限られていました。そんななかでも、ウェーダー(胴長)を着てアマモを観察したり、海藻押し葉を作ったり、サンプル処理の作業を手伝ったりと、研究者や学生との交流を通じて、作品制作につながる学びを深める姿が印象的でした。   ここからどんな作品が生み出されるのか楽しみです。 啓発イベント 最終日には、一般向けの啓発イベントを行いました。 今回の啓発イベントは室内で実施し、セミナーと実験・観察をしました。長崎大学のグレッグ先生からはセンターの概要や研究内容についてご紹介いただきました。 その後タラ オセアンの活動や昨年発表した、マイクロプラスチックの調査結果なども紹介しました。ブルーカーボン生態系の光合成実験や生きもの観察では、大人も子どもも夢中になって参加している姿が印象的でした。 これまでの光合成実験では、BTB溶液の色が変わることで、その様子を可視化していましたが、今回はグレッグ先生に、光合成の量を数値で測定できる機器をご用意いただき、ご紹介することができました。 参加者からは 「二酸化炭素、光合成の仕組みを目で見て知ることができ、よかった」 「プラスチックごみを減らすことを意識して生活したい」 などの感想をいただきました。  啓発イベントにご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。 また受け入れ対応してくださった長崎大学のみなさま、ありがとうございました。 長崎での調査と啓発活動を終え、プロジェクトは次の調査地である青森県浅虫へと向かいます。 

タラ号高松寄港レポート

高松では3日間と短い寄港でしたが、東京藝術大学・香川大学のご協力のもと、たくさんのイベントを開催することができました。 タラ号寄港セレモニー 4月25日の朝に開催されたタラ号寄港セレモニーでは、来賓として香川県知事の池田豊人氏にもお越しいただきました。セレモニーに先立ち、タラ号の船内も視察いただき、タラ号の生活について、わたしたちの活動についてをお伝えしました。 寄港セレモニーでは、タラ オセアン ジャパン理事で東京藝術大学学長である日比野克彦さんのあいさつをはじめ、タラ号キャプテンのモルガンによるスピーチもありました。 モルガン船長は、「一般的な船のクルーは、このように人前に立って活動について話す機会はほとんどありません。スピーチは得意ではありませんが、多くの方々に船を見ていただき、活動を知っていただけることこそ、タラ号の大きな価値であり、意義を感じています」と語りました。 タラ号見学イベント 4月25日には、香川大学が招待した親子や一般の方々を対象に、タラ号見学イベントを実施しました。 一般向け見学会は募集開始後まもなく定員に達し、タラ号への関心の高さがうかがえました。参加者の皆さまには、科学探査船ならではの船内設備や帆船ならではの船の仕組みなどを見学いただき、タラ オセアンの科学探査活動についても紹介しました。 当日は、「タラ号を香川県に!」の署名に参加してくださった方々の姿も多く見られ、高松寄港の実現を喜ぶ声が聞かれました。タラ号を間近で見学し、海洋科学や海洋環境について考える貴重な機会となりました。 タラ号船上特別ディナーイベント「海洋の未来を語る夕べ」  4月25日の夜には、タラ オセアン ジャパンの活動にご賛同いただき、寄付や協賛を通じてご支援いただける皆さまを対象に、タラ号のフランス人シェフによる特別ディナーを開催しました。 当日は、ヴェオリア・ジェネッツ株式会社、百十四銀行、株式会社神詫組、株式会社金丸工務店、大成生コン株式会社など、地域の企業や団体の皆さまにご参加いただきました。 参加者の皆さまには、タラ号船内の見学に加え、科学者やクルーとの交流を通じて、北極から南極まで世界中の海を航海する科学探査船の活動について理解を深めていただきました。 海や地球環境への関心という共通の想いを持つ方々が集い、食事を囲みながら意見を交わす時間は、大変有意義なものとなりました。また、タラ号シェフが腕を振るった特別ディナーも参加者の皆さまに大変好評でした。 TARA JAMBIO 展 停泊中のタラ号のすぐそばでは、東京藝術大学と香川大学のご協力により特設ブースが設置されました。ブースでは、タラ オセアンの活動紹介に加え、タラ オセアン ジャパンが進めるローカル科学プロジェクトのアートセクションである「TARA JAMBIO ART PROJECT」を紹介。タラ号を見学に訪れた多くの方に立ち寄っていただき、活動への理解を深めていただく機会となりました。 ブース内では、「海への想いをTaraに載せよう!」をテーマに一般の方が気軽に参加できる「巨大フラッグ」の共同制作を開催。タラ号に乗船体験したあとに立ち寄ってタラ号クルーにメッセージを残してくれた方が多かったようです。なお、このフラッグは出港セレモニーでタラ号のクルーに贈呈されました。 東京藝術大学・香川大学による関連イベント 高松港近くのデックスガレリアでは、東京藝術大学・香川大学が主催するシンポジウムやワークショップが開催されました。 会場では、昨年Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクトに参加したアーティストの展示も。 シンポジウムでは、タラ オセアン ジャパン理事で海洋学者のシルバン・アゴスティーニや日比野克彦さんも登壇し、タラ オセアンの活動やサイエンスxアートについてトークをしました。 出港セレモニー 4月26日の出港セレモニーでは、一般の方が心を込めて書いてくれたクルーへのメッセージフラッグの贈呈などが行われました。 出港時には、「TARA JAMBIO ART PROJECT 2025」の参加アーティストでもある西原尚さんによる、多国籍な楽器を用いた圧巻のパフォーマンスでお見送り。 3日間関わってくださった東京藝術大学と香川大学のみなさまも楽器演奏などに加わり、タラ号が遠く見えなくなるまで岸壁を走り、演奏を続け、その姿を見送りました。 熱意あるお見送りの風景はタラ号クルーにとっても印象に残る一場面でした。 3日間という短い滞在ではありましたが、高松では多くの方々にタラ号を見学いただき、海洋環境や科学、アートを通じて海について考える機会を共有することができました。 この寄港を支えてくださった東京藝術大学、香川大学をはじめ、ご来場いただいた皆さまに心より感謝申し上げます。 タラ号はこれからも世界の海を航海しながら、海洋科学の発展と海洋保全のための活動を続けてまいります。そして、高松で生まれた新たなつながりを大切にしながら、未来へ向けた対話と協働を広げていきます。  ■タラ オセアンと香川県の連携 タラ オセアン財団の日本支部であるタラ

イベント情報:「海の森のヒミツを科学でひもとく!ブルーカーボン生態系を学ぼう」in 青森・浅虫

「Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクト」は、海藻や海草などによって構成される“ブルーカーボン生態系”の科学的調査と、その重要性を広く伝えることを目的としたプロジェクトです。全国各地の調査拠点では、研究活動に加え、一般の方々を対象とした啓発イベントも実施しています。  浅虫でのイベント開催は今回で2度目です。2021年には、前プロジェクト「Tara JAMBIO マイクロプラスチック共同調査」の一環として啓発イベントを開催し、海洋ごみやマイクロプラスチック問題について学ぶ機会を提供しました。参加者からは「新たな気づきがあった」などの声が寄せられ、好評をいただきました。  今回のイベントでは、セミナーやビーチクリーン、生き物の観察、光合成の実験などを通して、ブルーカーボン生態系の仕組みや役割を楽しく学べるプログラムを実施します。本プロジェクトの啓発イベントは3年目を迎えますが、実際に見て、触れて、体験できる内容は、子どもから大人まで毎回大変好評をいただいています。 科学の視点から海とふれあい、地域の自然や未来の地球について考える機会をお届けします。 海の森のヒミツを科学でひもとく!ブルーカーボン生態系を学ぼう 日時: 2026年6月27日 (土) 09:30-12:00 受付 09:20場所:場所:浅虫海洋生物学教育研究センター   青森市浅虫坂本9番 ※駐車場あり定員: 30名程度対象: 小学生3年生以上(大人だけの参加も歓迎 )参加費無料 ▼持ち物・服装飲み物(マイボトル/水筒で)お子さまは室内用の上履き/スリッパ  ※申込締切:2025年6月25日(木)/定員に達し次第受付終了 共催:タラ オセアン ジャパン、JAMBIO、東北大学大学院生命科学研究科附属浅虫海洋生物学教育研究センター   

イベントレポート:「科学とアートで明らかにする、見えない海の世界 」 

午前中は一部の参加者を対象にタラ号の船内見学を実施し、フランスの「タラ オセアン財団」の活動や、タラ号のミッションについて実際に触れていただきました。 午後の講演会では、日本で活動する私たち「タラ オセアン ジャパン」の取り組みについてさらに深掘りしてお伝えしました。各登壇者からの報告は以下の通りです。 休日にもかかわらず50名以上の方にご参加いただき、Q&Aセッションでは時間が足りなくなるほどたくさんのご質問をいただきました。ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。今回の講演会が、参加された皆様にとって実りある時間となっていれば幸いです。 最後に、会場準備のお手伝いや場所をご提供くださった尾道市環境政策課の皆様に、心より感謝申し上げます。

10分でわかるプランクトン 

プランクトンって? 定義:水中を漂って生きる生物たち  プランクトンは単一の生物種を指す言葉ではありません。海だけでなく、池・湖・河口域などの淡水環境にも生息する、水中のさまざまな生物の総称です。共通しているのは、長距離を流れに逆らって泳ぐことができず、水流に乗って漂いながら生きていること。この「漂う」という性質が、プランクトンを特徴づけています。 「プランクトン」という言葉は、古代ギリシャ語の planktos(漂うもの、さまようもの)に由来します。 このグループには、次のような生物が含まれます。 プランクトンは何で構成されているの? 海には、地球上で最も多くの生物が生息しています。そして、この海洋生物多様性の95%は微生物によって構成されています。 海の見えない住人 ― 海洋マイクロバイオーム  プランクトンというと、目に見える生物を思い浮かべがちですが、その大部分は微生物によって構成されています。細菌、古細菌、原生生物、さらにはウイルスまで含まれ、これらを総称して「海洋マイクロバイオーム」と呼びます。 この生物群は、単に海中を漂っているだけではありません。海水中はもちろん、堆積物の上、サンゴや魚の表面、さまざまな場所に存在しています。 プランクトンには、植物性の微小生物である植物プランクトンと、動物性の微小生物である動物プランクトンの両方が含まれます。 覚えておきたいポイント 植物プランクトン:海の「植物」のような存在  植物プランクトンは、機能的な意味での「植物」にあたる生物群です。光を利用して有機物をつくり出す、つまり光合成を行います。多くは単細胞の微細藻類で、非常に小さいものもあれば、群体を形成するものもあります。 植物プランクトンには、以下のような生物が含まれます。 植物プランクトンは、海における一次生産の大部分を担っています。太陽エネルギー、海水、二酸化炭素を利用して有機物を生み出し、海洋の食物網の出発点となっています。 動物プランクトン:海の「動物」のような存在  動物プランクトンは、動物に分類されるプランクトンの総称です。植物プランクトンや細菌、さらに小さな生物を食べて生きています。大きさや形態は非常に多様で、顕微鏡でしか見えないものから、肉眼で確認できるものまで存在します。 動物プランクトンには、次のような生物が含まれます。 動物プランクトンは、海の生態系における「橋渡し役」を担っています。微細藻類が生み出したエネルギーを、より大きな動物が利用できる生物量へと変換し、海洋の食物連鎖を支える重要な存在です。 プランクトンはどこに生息し、どのように移動するの?  プランクトンは主に、水面近くの光や栄養塩が豊富な場所に生息しています。しかし、季節や水温、天候などによって、より深い場所にも分布します。 プランクトンは自ら大きく移動するのではなく、海流、潮汐、風、水のかき混ぜや乱流、水温や塩分濃度の差など、水の動きによって運ばれています。一部のプランクトンは、水柱の中を上下に移動する「鉛直移動」を行います。特に夜間に見られることが多く、「日周鉛直移動」と呼ばれます。しかし、多くのプランクトンは基本的に水塊の動きに依存して生活しています。 ホロプランクトンとメロプランクトン:一生プランクトンなのか、それとも一時的なのか? プランクトンを分類するもう一つのシンプルな方法は、「その生物は一生を通してプランクトンなのか?」という視点です。 この区別は、生物の成長や生活史を理解するうえで重要です。多くの魚類や海産無脊椎動物(ウニや甲殻類など)は、ライフサイクルの中でも特に脆弱な時期をプランクトンとして過ごしています。  プランクトン・ネクトン・ベントス:何が違うの?  海の生物は、大きく3つのグループに分けられます。 プランクトンは、海の食物連鎖を支える重要な存在です。また、多くのネクトン生物も、幼生期にはプランクトンとして生活を始めます。 プランクトンは生態系の中でどのような役割を果たしているの? 1. 海洋食物網の最初の担い手  プランクトンは、海の生命の大部分を支える出発点です。植物プランクトンは太陽のエネルギーを取り込み、有機物を生み出します。そして、その植物プランクトンを動物プランクトン(多くは甲殻類)が食べ、さらに魚類、クラゲ、海鳥、海洋哺乳類などの餌となっていきます。 また、プランクトンは物質循環においても重要な役割を担っています。微生物たちは有機物を分解・再利用し、窒素、リン、鉄などの栄養塩を再び環境中へ循環させています。つまり、こうした微生物がいなければ、多くの有機物は循環せずに滞り、生態系のサイクルは大きく非効率になってしまいます。プランクトンはしばしば「食物連鎖の最初の鎖」と表現されます。この基盤が弱まれば、海洋の食物網全体も脆弱になります。反対に、プランクトンが豊富で多様であるほど、より豊かな生物多様性を支えることができます。 2. 酸素の生産 植物プランクトンは光合成を行います。陸上植物と同じように、光、水、二酸化炭素(CO₂)を利用して有機物をつくり出し、その過程で酸素を放出します。 植物プランクトンによる光合成量は、陸上植物と同程度に達するとされています。ただし、その多くは海の中で直接消費されています。 このように、プランクトンは海洋生物の呼吸を支えるだけでなく、地球全体の環境バランスにも重要な役割を果たしています。 3. 海洋生物多様性の基盤 プランクトンは単に「餌」として存在しているわけではありません。海洋生態系全体の構造を支える重要な基盤でもあります。珪藻、渦鞭毛藻、幼生、小型甲殻類など、多様な形態のプランクトンが存在することで、さまざまな生物が共存できる豊かな資源環境が生まれています。 プランクトンは、以下のような点に大きな影響を与えています。 また、プランクトンは海の健康状態を示す指標としても重要です。種類構成の急激な変化や海水の色の変化、ブルーム(大量発生)の頻度の変化などは、海洋環境のバランスの乱れを示している可能性があります。 プランクトンは海洋生物にどのような影響を与えるの ? 1. 餌・成長・繁殖を支える存在  多くの海洋生物は、卵、幼生、稚魚といった非常に脆弱な段階から一生を始めます。そして、この時期にプランクトンを餌として利用しています。 もし十分なプランクトンが存在しなければ、成長は遅れ、生存率も低下し、次の世代の個体数減少につながる可能性があります。 海中のプランクトン量は、魚類の幼生の成長や繁殖、さらに多くの生物の餌となる小型甲殻類の豊富さに直接影響しています。 つまり、すべての海洋生物は、プランクトンが生き続け、食物連鎖の中に存在していることに大きく依存しているのです。

イベントレポート:「海洋マイクロプラスチック問題と国際条約の行方 」

冒頭では、環境省 水・大気環境局 海洋環境課 海洋プラスチック汚染対策室 室長の中山直樹さまより開会のご挨拶をいただきました。 続いて、タラ オセアン財団 エグゼクティブディレクターのロマン・トゥルブレより、タラ オセアンの活動紹介や海洋プラスチック研究について紹介が行われました。また、IRD(フランス国立持続可能な開発研究所)研究員であり、一般社団法人タラ オセアン ジャパン理事のシルバン・アゴスティーニからは、日本で実施した「Tara JAMBIO マイクロプラスチック共同調査」の調査結果について共有しました。 さらに、公益財団法人 地球環境戦略研究機関(IGES)持続可能な消費と生産領域 リサーチディレクターの堀田康彦さまより、「アジアにおける廃棄物管理:構造的課題と政策上のギャップ」についてご講演いただきました。 その後のパネルディスカッションでは、上智大学大学院 地球環境学研究科 教授の織朱實先生、環境省 水・大気環境局 海洋環境課 海洋プラスチック汚染対策室 室長補佐の長谷代子さまも加わり、科学、政策、法的枠組み、実務、グローバルな視点など、それぞれの専門分野から海洋マイクロプラスチック問題や国際条約制定に向けた課題について、多角的な議論が交わされました。 参加された皆さまにとっても、実りあるシンポジウムとなっていましたら幸いです。 タラ オセアン ジャパンとしても、今後もこのような場を設けながら、日本における政策提言や枠組みづくりに貢献できるよう尽力してまいります。 最後に、会場準備や司会進行を務めてくださった、上智大学アイランド・サステナビリティ研究所 所長であり、一般社団法人タラ オセアン ジャパン理事のアン・マクドナルドさん、そして運営をサポートしてくださった学生の皆さまに心より感謝申し上げます。

クラウドファンディングの支援で継続決定「Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクト」海草へ対象を広げた3年目の調査

    「Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクト」は、日本全国13か所以上を対象に、約4年をかけて調査を行う国内でも大規模なブルーカーボン研究です。2027年も継続的な調査・発信を予定しています。  2024年に始動した1年目は、海藻を対象にした調査を九州大学 天草臨海実験所、北海道大学 北方圏フィールド科学センター厚岸臨海実験所、島根大学 隠岐臨海実験所の3拠点、海草を対象にした調査を広島大学 竹原ステーションで実施しました。 2年目は、海藻を対象に調査拠点を7か所に増やし、筑波大学 下田臨海実験センター、長崎大学 環東シナ海環境資源研究センター(上五島)、高知大学 総合研究センター海洋生物研究教育施設、香川大学 瀬戸内圏研究センター庵治マリンステーション(小豆島)、新潟大学 佐渡自然共生科学センター臨海実験所、北海道大学 北方圏フィールド科学センター忍路臨海実験所、東北大学 大学院農学研究科附属女川フィールドセンターにて調査を行いました。 そして3年目となる今年は、海草をターゲットに下記の3カ所で調査および啓発活動を行います。 ブルーカーボン生態系の重要性と本プロジェクトの意義 ブルーカーボン生態系は、「生物のゆりかご」とも称されるほど、多様な生物を育む重要な環境です。同時に、炭素を隔離・貯留する機能を持つことから、地球温暖化の抑制やブルーカーボンクレジットの観点でも注目されています。 しかし、どの種類の海藻・海草が、どのようなメカニズムで炭素を隔離しているのかについては、未解明な部分が多く残されています。 本プロジェクトでは、以下のような調査を通じて、日本各地の沿岸域における大規模なデータ収集を行います。 ・炭素隔離過程(潜水・船舶調査):光合成、有機物輸送、溶存態有機物、分解性、堆積物コア、CO2収支、堆積物DNA ・生物多様性の評価(潜水・船舶調査):葉上動物、環境DNA、遺伝的多様性、固着生物 地域と連携した啓発活動も実施 調査拠点では、ブルーカーボン生態系の重要性やタラ オセアンの活動を伝えるため、一般の方を対象とした啓発活動も実施しています。  主な内容:  過去2年間の活動では、子どもたちを含む多くの方々にご参加いただき、ブルーカーボン生態系や海の重要性について学んでいただきました。 今年も3拠点でイベントを開催予定です。 長崎の啓発イベント概要 「海の森のヒミツを科学でひもとく!ブルーカーボン生態系を学ぼう 」  日時: 2026年6月6日 (土) 10:00-12:00 受付 09:50場所:長崎大学環東シナ海環境資源研究センター 長崎県長崎市多以良町1551-7※駐車場あり定員: 30名程度対象: 小学生3年生以上(大人だけの参加も歓迎 )参加費無料 共催:タラ オセアン ジャパン、JAMBIO、長崎大学 環東シナ海環境資源研究センター なお、浅虫では6月27日(土)、厚岸では8月1日(土)に啓発イベントを開催予定です。詳細は、タラ オセアン ジャパン公式ウェブサイトおよびSNSにて順次発信いたします。

イベントレポート:落合陽一さん × 日比野克彦さん トークイベント&タラ号船内ツアー

登壇いただいたのは、メディアアーティストの落合陽一氏と、アーティストでタラ オセアン ジャパンの理事でもある日比野克彦氏。 お二人はともにタラ号に乗船された経験を持ち、その体験をもとに、船上での暮らしやタラ号の魅力について語っていただきました。 落合さんは2年前、スペインでタラ号に乗船されイルカと“交信”しながら水中音を録音するなどの取り組みを行っていました。その経験を起点に、現在は鳥の声をデータ化・分析する研究にも取り組まれています。今回の東京〜高松の航海でも、イルカなどの音を収録する予定です。 日比野さんからは、タラ号プロジェクトが始まる以前、アニエスベーの息子であるエチエンヌ・ブルゴワより「海洋研究を行う船で環境問題に取り組みたい」という構想を聞いていた、というエピソードをご紹介いただきました。 トーク終了後には、支援者の皆さまとともにタラ号の船内ツアーを実施。限られた空間の中で、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が共同生活を送る様子を、間近に感じていただきました。 参加いただいたみなさまからは、 「少人数で温かみのあるイベントでした。」「落合さんや日比野さんとこんなに近い距離でお話しできるとは思いませんでした!」「タラ号やタラ オセアンの活動のスケールの大きさを実感しました。」「とても楽しく、貴重な経験になりました。」 などうれしいお言葉を頂戴しました。 ご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

粟島発、海洋プラスチックごみゼロへ「Awashima Heart Project 2026 」を実施

「Awashima Heart Project」は、タラ オセアン ジャパンが三豊市と連携し推進する海洋環境教育に賛同する企業とともに2023年に発足した取り組みです。参加企業の従業員が粟島に漂着・堆積した海洋プラスチックごみの回収を行い、自然環境の現状を体感するとともに、その経験を発信することで、環境問題への関心を広げることを目的としています。 第3回となる今回はこれまでの取り組みに加え、粟島を起点に地域と企業が連携し海洋プラスチックごみ問題に対して「体感」にとどまらない具体的な解決行動へとつなげることに重点を置きました。 三豊市や漁業関係者、市民なども参加し産官民が連携した継続的な取り組みへと広がっています。さらに、海洋プラスチックごみゼロの実現に向けた「共同宣言書」の署名・発行や 各企業の取り組みを共有する場も設けました。 当日は、クリーンアップ活動に加え、ビーチでのマイクロプラスチック採取体験を実施しました。また、参加組織による発表では、各社の環境への取り組みが共有され、産官民が相互に学び合う貴重な機会となりました。 タラ オセアン ジャパンからは、2025年8月に発表された科学論文の知見を引用し、2020年から2023年にかけて実施した日本沿岸域におけるマイクロプラスチック調査の成果を共有しました。海岸に漂着したプラスチックゴミの回収(クリーンアップ)に留まらず、調査結果が示す「プラスチック流出の実態」に基づき、日常生活や事業活動における生産・消費の在り方そのものを見直す重要性を提言しました。 「粟島”発”海洋プラごみゼロ共同宣言書」の署名式では、三豊市の山下市長をはじめ、企業・自治体・団体12者および個人2名が署名しました。参加者は、それぞれの日常生活や事業活動を通じて、海洋プラスチックごみゼロの実現に向けて行動することを宣言しました。 Awashima Heart Projectは、「粟島発の海洋ごみゼロ」を目指し、今後も継続的に取り組んでまいります。海洋ごみ問題は地域にとどまらず、日本、そして地球規模の課題です。 タラ オセアン ジャパンは、「Tara JAMBIO マイクロプラスチック共同調査」の成果をもとに、粟島での実践を起点とした科学的エビデンスに基づく行動を社会へと広げ、プラスチック汚染問題の解決に貢献してまいります。 なお、本共同宣言に込められた産官民の想いは、2026年4月26日に粟島を訪れる科学探査船タラ号のクルーや科学者たちへ直接届けられる予定です。当日は、島民との交流の場において、本共同宣言書を授与するセレモニーを行い、世界へ向けた「粟島”発”の決意」を共有します。 「Awashima Heart Project 2026」参加企業・自治体・団体一覧

北極  氷に覆われた、知られざる生物多様性の大地

なぜ北極の生物多様性は特別なの? 多様な生息環境 北極と聞くと、まず思い浮かぶのは、海氷や氷山、氷河など、さまざまな形の「氷」かもしれません。けれども実際には、この地域には多様な生息環境が広がっており、過酷な条件に適応した豊かな生命の世界が息づいています。 陸上では、動植物の姿がひかえめなツンドラが広がり、そこには貴重な淡水の貯水域や、石に覆われた荒涼とした大地も共存しています。 海では、多くの種が海氷の上や内部、さらには水柱や海底にまで生息し、それぞれの環境をすみかとしています。 氷と寒さが形づくる過酷な環境 北極は、冬には気温が氷点下40℃を大きく下回り、空気の乾燥度も砂漠に匹敵するほど厳しい地域です。夏になると太陽が戻り、白夜のもとで一日中光が差しますが、それでも気温は10℃を超えることはほとんどありません。 海面が凍って形成される海氷は、決して平らな氷原ではありません。実際には、押し合いへし合いしてできた氷の塊や、重なり合う氷板(圧縮による氷の隆起)が連なる、起伏に富んだ混沌とした地形です。海流や風の影響を受けて、割れたり再び閉じたりもします。 この海氷は、多くの海洋生物や陸上生物にとって重要な生息環境です。休息し、餌をとり、捕食者から身を守るための欠かせない場となっています。 白夜と極夜 ― 規格外の生体リズム 北極圏(北極圏以北)では、地球上の多くの地域とは異なり、ある時期になると昼と夜の長さが極端になります。夏至や冬至の頃には、太陽が24時間地平線の上にとどまり続ける「白夜」や、逆にまったく昇らない「極夜」が生じます。とはいえ、こうした時期を除けば、高緯度地域であっても昼と夜は交互に訪れ、その長さは季節とともに徐々に変化していきます。 この現象は、地球の自転軸が傾いていることに由来します。北半球の夏には、地軸が太陽のほうへ傾くため、太陽光が長時間にわたり北極圏を照らします。反対に冬には、地軸が太陽から遠ざかる方向に傾き、一部の地域は長期間にわたって暗闇に包まれます。 このような極端な光環境の変化は、生物にとって一般的な昼夜サイクルを保つことを非常に難しくします。そのため北極の生きものたちは、精巧で、しかもあまり知られていない独自の適応戦略を発達させてきました。 気候のバランスを支える、欠かせない生物多様性 一見すると厳しく無機質に見える北極ですが、実は地球規模の気候調節において中心的な役割を果たしています。海の生物多様性は海洋の食物連鎖を支えるだけでなく、特にプランクトンを通じて炭素の吸収にも貢献しています。 植物プランクトンは光合成によって海水中に溶け込んだ二酸化炭素を取り込み、海洋内に炭素を貯蔵します。これにより、地球規模での気候調整に寄与しているのです。しかし、海氷の減少はこうした動態を変化させ、一次生産や、それに連なる食物網全体に影響を及ぼしています。 陸上や沿岸域では、北極の哺乳類や鳥類が、生物の拡散に重要な役割を担っています。移動や採食、排泄を通じて、種子や栄養分、微生物を長距離にわたって運びます。こうした目に見えないやり取りが、土壌の肥沃度を高め、新たな生息地の形成を助け、陸上生態系の維持を支えています。 レミングからホッキョククジラまで、動物も植物も、それぞれがこの繊細な均衡の中で、不可欠かつ補完的な役割を果たしているのです。 極限環境に対する、生きものたちの適応戦略とは? どうやって寒さを生き抜くの? ・代謝の低下と不凍タンパク質 極北に生きる動物たちは、寒さから身を守り、餌を探して移動するために多くのエネルギーを消費します。そのため休息が不可欠ですが、常に明るい日や暗い夜があるとは限らない環境では、睡眠と摂食のサイクルも影響を受けます。彼らは時間に従ってではなく、必要に応じて眠り、狩りをします。このことが移動パターンや社会的行動にも影響を与えています。 また、北極ダラのような種は「不凍タンパク質」を持っています。これらのタンパク質は、形成され始めた小さな氷の結晶に結合し、その成長を止めます。もし結晶が成長すれば、細胞が損傷を受け、生存が脅かされてしまいます。不凍タンパク質は、まさに命を守る分子レベルの防御策なのです。 ・エネルギー豊富な食事 脂質は非常にエネルギーに富み、寒さに対抗するうえで欠かせない存在です。最小の生物である細菌から、海洋哺乳類のような大型動物に至るまで、脂質は体温維持とエネルギー確保の鍵となります。そのため、生態系の食物網の中では、食事を通じていかに多くの脂質を取り込めるかが、生存を左右する重要な要素となっています。 ・断熱(保温) セイウチ をはじめ、多くの海洋動物は「脂肪層」と呼ばれる厚い皮下脂肪を持っています。これにより、氷のように冷たい海水から体を効果的に隔離することができます。この脂肪層は、エネルギーの貯蔵庫であると同時に、体温を一定に保つための重要な仕組みです。成体だけでなく、幼い個体にとっても、生き延びるために欠かせない役割を果たしています。 一方、ホッキョクグマの場合は事情が異なります。生まれたばかりの子グマは非常に小さく、発達も未熟で、体重はわずか数百グラムほどしかありません。まだ十分な脂肪層も備えていません。 彼らが最初の数か月を生き延びられるのは、巣穴という安全な環境、母親の体温、そして脂質に富んだ母乳のおかげです。成長するにつれて、子グマは急速に体重と脂肪を蓄えていきます。これは、その後に待ち受ける北極の過酷な環境に立ち向かうために不可欠なプロセスなのです。 ・体毛・被毛・毛皮 ホッキョクウサギのように、非常に暖かい毛皮は優れた断熱材となります。実際、この種は寒さへの耐性が最も高い哺乳類のひとつです。その被毛の密度は、同じ仲間の他の種よりも高く、長く半透明の上毛の下には、非常に保温性の高い下毛が隠れています。こうした幾重もの保護層によって、自らの体温を長時間保つことができるのです。 どうやって夏の「24時間の光」を生き抜くの? 短い北極の夏のあいだ、太陽は24時間輝き続けます。この絶え間ない光は、動植物にとって利点であると同時に大きな試練でもあります。まぶしさや方向感覚の乱れ、さらには紫外線による組織へのダメージを引き起こすこともあります。 一方で、この環境に適応した種にとっては大きな恩恵もあります。代謝が活発になり、採食条件が向上し、捕食者に対する脆弱性が低下するのです。 たとえば、珪藻と呼ばれる植物プランクトンは、光エネルギーを利用して有機物を生み出します(光合成)。過剰な光を受けた場合には、光合成に関わるタンパク質がその余分なエネルギーを熱として放散し、不可欠な生物学的プロセスを守る仕組みを備えています。 また、極北の動物たちは、この短い夏のあいだに繁殖サイクルを完了させなければなりません。限られた時間の中で次世代を残すことが、生存の鍵となっているのです。 ・妊娠のコントロール ヒゲアザラシは、出産に最も適した条件が整うまで、子どもの誕生時期を調整することができます。とくに、餌資源の利用可能性などの環境条件を見極めながら、出産のタイミングを合わせるのです。こうした柔軟な繁殖戦略は、変動の大きい北極環境で子を生き延びさせるための重要な適応のひとつです。 極夜をどう生き抜くの? ・移動(回遊) この地域に生きる多くの動物は、餌資源や繁殖地を求めて、数百キロから時には数千キロも移動します。たとえば、ザトウクジラは、一年中北極にいるわけではありません。プランクトンが大量発生する夏のあいだだけ北極圏に滞在し、豊富な餌をとります。いわゆる「ブルーム」の時期です。夏の終わりには南へ移動し、冬は暖かい熱帯の海域で過ごします。そしてそこで子どもを出産するのです。 ・カモフラージュ 一部の動物は、雪景色の中でほとんど見分けがつかない白い被毛を持っています。たとえば、ホッキョクウサギ、オコジョ、ホッキョクギツネなどです。この保護色は、ある種にとっては捕食者から身を守る手段となり、また別の種にとっては獲物に気づかれずに近づくための武器となります。白い大地に溶け込むことは、極地で生き延びるための重要な戦略なのです。 生き延びるために発達した聴覚と嗅覚 発達した聴覚や嗅覚も、極地での生存を支える重要な適応です。視界が限られる吹雪や暗闇の中でも、音やにおいを頼りに、獲物や仲間、あるいは捕食者の存在を察知することができます。 こうしたさまざまな適応によって、この世界でもっとも過酷な環境のひとつにおいても、北極特有の生物多様性は維持されているのです。 北極を代表する哺乳類にはどんな動物がいるの? ホッキョクグマ: 海氷を渡り歩くノマド ホッキョクグマは卓越したスイマーです。約11cmもの厚い脂肪層と密な毛皮に守られ、氷のように冷たい海の中でも何時間も過ごすことができます。主な獲物はアザラシで、優れた嗅覚を使って、1メートルもの氷の下にいる獲物の気配さえ察知します。また、単独で行動する放浪者でもあり、狩りも生活も基本的に一頭で行います。オスは最大で650kgに達し、時速40kmで走ることもできます。メスは2~3年かけて子どもを育て、その間に狩りの方法や、この過酷な環境で生き抜く術を教えます。子グマはおよそ1歳から狩りができるようになります。 ※生き延びるためには、年間およそ45頭のアザラシを食べる必要があるといわれています。 セイウチ:ひげをたくわえた巨人

Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクトを加速させるクラウドファンディングを開始

クラウドファンディングサービス「READYFOR」にて、1,000万円を第一目標に、2026年3月4日(水)から2026年4月30日(木)まで支援を募ります。 海は、人間活動によって生じた余分な熱の多くを吸収し、気候を調整する重要な役割を担っています。また、海洋生態系は光合成を通じて酸素を生み出し、私たちの暮らしを支えています。 しかし、乱獲や海洋汚染、海洋酸性化、気候変動など人間の活動に起因する環境問題の影響により、海の環境は急速に変化しています。 こうした現状を科学的に調査し、社会に警鐘を鳴らす科学探査船「タラ号」が、8年ぶりに日本へ特別寄港します。この来日を機に、日本で進める「Tara JAMBIOブルーカーボンプロジェクト」を継続・発展させるとともに、海に関する啓発活動をさらに進めるため、クラウドファンディングに挑戦します。 8年ぶりに日本へ寄港する科学探査船「タラ号」の滞在期間中にクラウドファンディングを実施することで、どこか遠い存在だった海や海洋調査を、支援者の皆さまが「自分事」として捉えられる機会を創出します。 この貴重な寄港を記念し、リターンには停泊中のタラ号乗船ツアーや船上カクテルパーティーなど、タラ号ならではの特別なプログラムをご用意しました。タラ号の旅路に加わる“クルーの一員”として体験していただけます。 支援が、研究を後押しするだけでなく、海とつながる一歩となります。 皆様の温かいご支援を何卒よろしくお願いいたします。

イベント告知: マリンダイビングフェア 2026 東京・池袋

「マリンダイビングフェア」は、毎年多くの海好きが集まるアジア最大級のダイビング&リゾートのイベント。国内外からの出展に加え、水中写真や最新ギア、環境保護関連など多角的なテーマでイベント全体が構成され、初心者からベテランまでが楽しめる充実の内容となっています。 タラ オセアン ジャパンはこの度、この「マリンダイビングフェア」に出展。タラの活動をご紹介するパネル展示を実施します。さらに、タラのSNSフォローでTARAスペシャル缶バッジをプレゼントするキャンペーンも行います。 ダイビングは、普段見ることのできない海の世界をのぞくことができる、とても魅力的なアクティビティ。「これから始めてみたい」という方に向けた講習相談コーナーもあるそうです。会場では水中写真展示などもあり、ダイバーでなくても海の世界を楽しめるイベントです。 海の魅力を感じに、ぜひ遊びに来てください! イベント概要 「マリンダイビングフェア 2026」 日時:2026年4月3日(金)10:00-18:00、2026年4月4日(土)10:00-17:00、2026年4月5日(日)10:00-17:00 会場:東京・池袋サンシャインシティ 文化会館2F(Dホール) 無料ですが事前登録が必要です 詳細はマリンダイビングフェア 公式ホームページをご確認ください。