2020年

清中 愛子 Aiko Kiyonaka

「地球環境の中でより謙虚にふるまうことが大切」


詩人、アーティスト ●展覧会 ギャラリーCÜe 「今日は、海を見ていない。」展(神奈川/2023) PARK GALLERY 「海と山と」展 参加(東京/2023) Tara Jambio Art Project展 参加(香川/2023) 小田原城町芸術祭 参加(神奈川/2022) 裾野光明寺灌仏会作品奉納及び個展(静岡/2022) 籠清小田原駅前店ギャラリー「柿・練・海」二人展(神奈川/2022) ●プロジェクト、ワークショップ講師、他 Tara Jambio マイクロプラスチック共同調査 参加(静岡/2023) タラ号ポスターコンクール2022 粟島海洋環境クラブ合宿/WS 講師(香川/2022) Art Project「今日は、海を見ていない。」(神奈川2021〜2023)https://kyou-umi.jp Tara Jambio Art Project 海洋調査 参加(岡山/2020) NPO法人アートファーム「ことばの台所」詩のワークショップ(岡山/2019) ●受賞、他経歴 三田文学新人賞坂手洋二奨励賞 永瀬清子現代詩賞 文芸思潮現代詩大賞 Canon写真新世紀入賞、他 詩集『宮の前キャンプからの報告』中原中也賞最終候補作 東京藝術大学美術学部先端芸術表現科卒

清中 愛子 Aiko Kiyonaka

2020年10月、岡山県牛窓のマイクロプラスチック調査に同行した詩人、アーティストの清中愛子さん。

調査に参加する中で「プラスチックを好んで繁殖するバクテリアや、それらに付着して遠くまで移動する微生物もいるかもしれないという話が特に印象深かった」と清中さんは語りました。

そこから発想し制作された作品が「寄生蟹」。ミクストメディア、詩篇、写真と異なる表現形態を用いています。

「寄生蟹」/久佐岐(くさぎ)で染めたウールに葈耳(おなもみ)と亀の甲羅の骨、詩
2020

「寄生蟹」/ 写真
2020

異なる生物や物質が、それぞれの秩序の中で出会うことによって、何か違うものに変化し、旅をして、新しい物語に移行していくことを、幾つかの詩篇とともに作品を構想したといいます。

また、人間も含めた自然のあらゆるものが網目のように繋がっていることもイメージしているそう。

作品は、毛糸以外は主に、自然の中から自分で採集した素材や収集物で作られています。市販で売っている画材ではなく、染料から作成してみることで、物を作ることについて再考したいと思ったからだそう。

一年ほどで徐々に色の褪せる「久佐岐」の染め糸を見て「普段、容易に劣化しない商品や、色の変わらない服を着ていることの違和感を覚えました。」と清中さんは語り、新たな気づきがあったようです。

清中さんにとっての創造の根は、子どもの頃に日々歩いた野山の自然。その原点から、自然への感謝と畏敬を忘れないようにしたいと語ります。

「私たち人間は、自然の恩恵を享受することでしか生きられない小さな存在なのだと省みて、全ての生命に繋がっている水、海を汚さないこと、目に見えないところへ及ぶものに注意を向けること、そして地球環境の中でより謙虚にふるまうことが大切なのかもしれません。」

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