2020年
関谷 福蔵 Fukuzo Sekitani
- 映像
- 音楽・音響
- Tara JAMBIO マイクロプラスチック共同調査
海、それはすべての母

兵庫県姫路市家島町の海の街で生まれ育つ。 高校時代にギターに出会い、現在までシンガソングライターとして活動を行っている。 The super cherry jam bandというバンドのギターボーカルも務める。2017年に1stアルバム「EARTH」をリリース。2020年には、シングルカット曲「Wave wave wave」「She」「キノコの傘で」を配信限定リリースした。2025年12月頃に2枚目のアルバム「Human on the rock」をリリースする予定。
関谷 福蔵 Fukuzo Sekitani
2020年10月、岡山大学牛窓臨海実験所を拠点に行われたマイクロプラスチック調査に同行した関谷福蔵さん。彼は兵庫県の離島、家島在住のシンガーソングライターで、バンド「The super cherry jam band」のギターボーカルも務めています。
Tara JAMBIOプロジェクトへの参加は、もともと自然や環境問題への関心があったことがきっかけでした。
「Taraの活動に触れられる機会は、この先もうないかもしれないと思ったんです。体験をもとに曲を作るのは冒険であり、正直迷いもありましたが、環境問題を届ける意味でも、ぜひ渡ってみたい航海でした。」
こうして生まれた音楽・映像作品が「Mother」です。
制作背景について関谷さんは次のように語っています。
Tara JAMBIO マイクロプラスチック共同調査での体験を通して、地球環境の危うさを改めて突き付けられました。そして、その困難に立ち向かう科学者たちの途方もない挑戦と情熱、知識の深さに圧倒されました。
ただその経験をきっかけに「科学者を応援する歌」を作るのか、それとも「環境破壊をやめよう」と叫ぶ歌にするのか、迷いがありました。環境問題は科学者だけの課題ではなく、私たち一人一人が向き合わなければならないものだからです。だからこそ、単純に「頑張れ」とエールを送るのでも、「環境破壊をやめよう」と繰り返すのでもない表現を探しました。
さらに「未来の子どもたちのために」という言葉にも違和感がありました。地球には人間だけでなく、数え切れないほどの生き物たちが共存しているからです。この多様性こそが、奇跡的な環境を生み出している。必要なのは、人間中心の発想を超え、地球そのものへの愛だと感じました。
島で暮らす私にとって、海は心の奥底に刻まれた原風景です。だから自然と「Mother(母)」という言葉が浮かびました。海はすべての生き物を生み出した母であり、私たちはその愛に応えるように、謝り、守り、共に危機を乗り越えていくべきだ――その想いを楽曲に込めました。
この作品には、そうした私自身の思想が込められていますが、音や映像を通して聴く人それぞれが自由に解釈してくれることを願っています。

楽曲制作を終えた関谷さんは、他のアーティストの表現にも刺激を受け、環境問題には多様な切り口と感性が必要だと感じるようになったといいます。
「プラスチックは人の生活の夢を叶えてきた希望のような存在でもあります。悪いのは素材そのものではなく、人の使い方や習慣なのではないでしょうか。そんな気づきもありました。」
現在、関谷さんはお仕事で子どもたちに自然環境や漂着ごみ問題について伝える活動をしており、調査で得た経験や「Mother」の映像も紹介しています。
「話をして映像を見てもらうと、じんわりと心に届く感覚があります。」
またタラ号になぜアーティストが乗船するのか参加してよく分かったそうです。
「科学者に真実を暴いてもらい、それを多方向から伝えていくことが大切なのです。プラスチックをゴミに変えてしまう人は知らないだけなのだと思います。」
最後に関谷さんは、「この壮大なプロジェクトに参加できたこと、地球環境の最前線で戦うTaraの皆さん、作品を支えてくれた仲間や家族、そして母、母なる海に、心から感謝します。」と語りました。
「Mother」
作家名 関谷福蔵(The super cherry jam band)
作詞作曲:関谷福蔵
編曲:The super cherry jam band
演奏:The super cherry jam band
関谷福蔵:Vocal,Guitar
藤本智也:Bass
三田貴哉:Drumsレコーディングエンジニア、ミックス、マスタリング:大野ヒロ
映像:橋本拓也
英語指導:中田千恵
レコーディングスタジオ:“Studio forest”