2025年
イザベル・ダエロン Isabelle Daëron
- デザイン
- デッサン
- タラ号サンゴプロジェクト
ヴィラ九条山とタラ号のマイクロレジデンスでの活動によって発展する「Water Calling」
フランス・プロムール生まれのデザイナー・アーティスト。パリを拠点に活動。 水や風、光といった自然環境やその流れから着想を得て、オブジェや空間、インスタレーションを制作し、それらが都市や公共空間にもたらす可能性を探求しています。また、ドローイングや物語を紡ぐ表現を通して、環境やその資源を想像力豊かに、そして感覚的に捉え直す実践にも取り組んでいます。 2018年には、都市・環境・社会に関わるエコロジー・トランジション(環境・社会の持続可能な転換)をテーマに、リサーチや教育活動を行う学際的クリエイティブ・エージェンシー「Studio Idaë(スタジオ・イダエ)」を設立しました。 これまでの作品は、フランスではサンテティエンヌ国際デザイン・ビエンナーレや、パリ市立近代美術館で開催された「Conversation(s)」展をはじめ、海外でもミラノ・トリエンナーレ、ヘルシンキ・デザインウィーク、日本のCCA北九州、ベルギーのグラン・オルニュなどで発表されています。現在、パリのギャルリー・パヴェックに所属しています。
イザベル・ダエロン Isabelle Daëron
イザベル・ダエロンは、2022年から2025年にかけて、キュレーターの永井佳子氏と協働し、京都の地下水をテーマとしたリサーチプロジェクトに取り組みました。
書籍やマップ、展覧会、講演を通じて展開されるこのプロジェクト「Water Calling」は、地下水の変遷と、その利用の歴史や現在のあり方を伝えることを目的としています。
ヴィラ九条山のレジデンス・アーティストに選出されたイザベル・ダエロンは、2026年に京都で6か月間の滞在制作を行い、このプロジェクトをさらに発展させる予定です。調査をより深めるため、2026年4月には「マイクロレジデンス(短期滞在型レジデンス)」の一環として、タラ号に乗船しました。

© Aurélien Mole
プロジェクトについて
「日本神話では、水と海を司る神・龍神は龍の姿をしています。龍神は、赤や白のサンゴでできた海底の宮殿『竜宮城』に住んでいるとされています。
東京から尾道までの航海に参加することは、私にとって、日本における海中世界にまつわる物語やイメージを探る貴重な機会です。これは、ヴィラ九条山で取り組んでいる地下水や地下世界の象徴性に関するリサーチの延長線上にあるものでもあります。
船上では、音の録音やドローイングを通して、人々が海中世界に抱く記憶やイメージ、語りを収集し、現代版の『竜宮城』ともいえる新たな物語を紡ぎたいと考えています。
また、第二のテーマとして、雨水などの流出水が沿岸の海水の質(色、水温、塩分など)に与える影響、とりわけ本州沿岸と瀬戸内海沿岸との違いに着目します。このリサーチでは、寄港地の日本の漁師たちと、タラ号のクルー、それぞれの視点を交差させながら、陸と海の双方から海を見つめる試みを進めていきたいと考えています。
このレジデンスの成果として、最終的には地図と出版物を制作したいと思っています。」
― イザベル・ダエロン

© Kosuke Arakawa

Studio Idaëとの協働により、フランス文化省の「Mondes Nouveaux(新しい世界)」プログラムの一環として、プルーマナックの沿岸保全地域で制作されたプロジェクト。
© Anne-Emmanuelle Thion

© Anne-Emmanuelle Thion
タラ号での滞在から生まれた作品は近日公開予定