2020年
金澤 佑哉 Yuya Kanazawa
- 陶芸
- Tara JAMBIO マイクロプラスチック共同調査
伝統工芸と海の未来をつなぐ

陶芸家 1982年熊本県生まれ 2006年実家である丸尾焼に入社し陶芸を始める 2010年渡独 ドイツ国内の様々な陶芸の工房で働く 2012年日比野克彦の明後日キャラバンで全国7箇所を回りワークショップを開催 2016年 熊本市現代美術館にて丸尾三兄弟による「◯O(マルオ)の食卓」展開催 同展でgood design awardを受賞 上記以外に展示会グループ展多数
金澤 佑哉 Yuya Kanazawa
2020年10月、熊本県天草で実施されたマイクロプラスチック調査に同行した金澤佑哉さん。彼は地元天草で1845年から続く国指定伝統工芸品「丸尾焼」の陶芸家です。
普段は家庭用の食器を主に制作し、あまりアート作品を作らない金澤さんですが、幼い頃から身近にあった海の変化に関心を抱き、TARA JAMBIO ARTプロジェクトに参加しました。
調査に同行し、金澤さんが驚いたのは、目に見える形で海洋ゴミが散見していたことでした。
「マイクロプラスチックの調査のために船が1ノット位でゆっくり進むことで、普段は気づけないものが見えてきた」と語ります。
そしてインスピレーションを得て誕生したのがアート作品「海映す甲羅」です。船がサンプリング採取のためにゆっくり進む中、無数の漂流物の中に亀の甲羅が漂う様子を目にしたことがきっかけでした。

「その時の甲羅を手に取ることはできませんでしたが、後日、インターネットの海の中を漂流する亀の甲羅を手に入れました。それは、誰かにとって不要になったゴミでもありました」と金澤さん。

この甲羅をもとに石膏型を作り、天草陶石を原料に焼き上げた作品は、地元の伝統工芸と海の未来をつなぐものになりました。

金澤さんは陶芸家としての活動に加え、地域づくりにも積極的に取り組んでいます。
「これまで海洋環境と地域コミュニティを結びつけて考えたことはありませんでした。でも、Tara JAMBIOでの経験をきっかけに “子どもたちがこれからもずっと安心して泳げる海” を目指して行動したいと思うようになりました」と意欲を語ります。
伝統工芸と地域、そして海の未来をつなぐ彼の挑戦は、次世代に新たな希望をもたらしてくれるでしょう。