大阪・関西万博 「大阪海獣」展示レポート

タラ オセアン財団はアクサグループの支援のもと、CofrexおよびNANZUKAと連携し、フランス人アーティスト ジャン・ジュリアンによる特別展示「大阪海獣」を、大阪・関西万博のフランスパビリオンにて、2025年5月15日(木)から6月11日(水)まで開催しました。

©Yuki Onishi

会場は、フランスパビリオン内の最後の展示スペース。入り口をくぐると、ジャン・ジュリアンによる描きおろしのイラストを用いたパネルが来場者を迎えます。そこでは、私たち人間と海との深いつながり、そして現在の海洋環境が直面している課題を紹介しました。

続くスペースでは、タラ オセアンの活動を紹介する展示パネルを設置。科学探査船「タラ号」の取り組みや、新しい船「タラ極地ステーション」の紹介に加え、科学・教育・アートを通じたタラ オセアンのミッションを伝えました。

そして通路を抜けると、広さ200㎡を超える空間に、突如として9mを超える巨大な“怪獣”「大阪海獣」が登場します。船と海洋生物が融合したかのようなその姿には、世界中で古代から語り継がれてきた海にまつわる神話や日本の妖怪などが描かれ、同時に気候変動やプラスチック汚染、国際紛争や難民など、現代社会が抱える課題も、タトゥーのようにその体に刻まれています。

大阪・関西万博、そしてフランスパビリオンには連日多くの来場者が訪れました。じっくり鑑賞される方もいれば、足早に通り過ぎる方も。展示が発するすべてのメッセージを受け取っていただくのは容易ではなかったかもしれませんが、それでも多くの方の心に「大阪海獣」や海の重要性、そして「タラ オセアン」の名前が残ったことを願っています。

大阪海獣

©Yuki Onishi

展示

©Yuki Onishi

オープニングレセプション

5月19日(月)にはご招待客、プレス、関係者をお迎えし、オープニングレセプションを開催しました。

ジャン・ジュリアン自身による展示ツアーで幕を開けたこの日。イベントスペースでは、タラ オセアン財団エグゼクティブディレクターのロマン・トゥルブレによるプレゼンテーションや、タラ オセアン ジャパン理事・日比野克彦さんとジャン・ジュリアンのトークセッションが行われました。

また、フランスパビリオン総監督のジャック・メールさんからは本展示が同パビリオンで行われることへの喜びや期待が語られました。そしてアクサを代表して土井恵さん(執行役員サステナビリティ&エンゲージメントコミュニケーション本部長)からも、同社の海洋保全に関する支援活動やタラ オセアンへのサポートを通して未来に豊かな海をつなぐ重要性について語って頂きました。カクテルではアクサのコリン・スタレスキーさん(常務執行役員兼チーフオペレーティングオフィサー)に乾杯の挨拶をいただき、多くの皆さまとともに、「大阪海獣」の船出をお祝いする、あたたかなひとときとなりました。

オープニングレセプション

©Yuki Onishi

World Oceans Day トークイベント

6月8日(日)、世界海洋デーを記念して、特別なトークイベントを開催しました。

登壇したのは、タラ号への乗船経験を持つ2人の日本人アーティスト――タラ オセアン ジャパン理事であり東京藝術大学学長の日比野克彦さん、そして2024年3月にタラ号に乗船し、現在大阪・関西万博にて「null²(ヌルヌル)」を展示中のメディアアーティスト・落合陽一さんです。

当日は、多くの希望者の中から事前抽選で選ばれた約100名のゲストをお迎えし、日比野さんによる展示ツアーからスタート。「大阪海獣」の元に日比野さんを中心とした輪ができ、彼の言葉に耳を傾ける来場者の姿がとても印象的でした。その後、イベントスペースに場所を移し、落合さんとのトークセッションへ。落合さんによるタラ号乗船体験のエピソードや、「null²(ヌルヌル)」の制作背景、そして海やアート、未来への問いについて――限られた1時間の中で、濃密な対話が繰り広げられました。

World Oceans Day トークイベント

世界海洋デーのこの日、フランス・ニースでは6月9日から13日に開催された第3回国連海洋会議(UNOC 3)を記念し、海洋保全に貢献する船のパレードが行われタラ号はその先頭を飾ってニースに入港するなど国際的にも重要なイベントが開かれました。

そんな特別な日に日本でも、ここ大阪で海を想い、未来を語り合う場を持てたことをとても嬉しく思います。

最後になりましたが、「大阪海獣」の展示や関連グッズ制作に携わってくださったすべてのパートナーの皆さまに心より感謝申し上げます。

ジャン・ジュリアンとタラ オセアンのメンバー ©Yuki Onishi


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