Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクト長崎調査・啓発イベントレポート

©Manabu Ooue

3年目を迎えたTara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクトでは、これまでの海藻に加え、今年から海草も調査対象に加えました。 長崎調査は、5月31日から6月6日まで長崎大学環東シナ海環境資源研究センターを拠点に行われました。

調査

今回の調査場所は、長崎大学環東シナ海環境資源研究センターから車で1時間ほどの場所にある、長崎県中央部の内海・大村湾です。 外海とは狭い入口でつながる閉鎖的な海で、湾内には長崎空港があります。この海域にはアマモやウミヒルモが生育しています。かつてはナマコ漁が盛んでしたが、近年は環境の変化によりナマコが大きく減少しているといいます。 

調査はアマモを中心に行われました。

アマモ 閉鎖的な海のため、濁りが強いです ©Manabu Ooue
ウミヒルモ 紫色のものはウミヒルモの花です

昨年は海藻を対象に調査を行ったため、海草の調査は2024年の竹原調査以来となります。 海藻と海草とでは研究内容や調査方法も少し変わるため、慣れない作業が続きました。

また、調査期間中は梅雨の時期と重なり、台風の影響による中止が1日、悪天候による中止が1日ありました。 

天候や作業の調整でイレギュラーな対応が求められましたが、無事に主要な調査は終えることができました。

アマモの光合成を調べています ©Manabu Ooue
河川の採水

アート

アーティストは東京藝術大学の修士過程を終えた有村聡美さんと同大学、芸術未來研究場の特任准教授でTARA JAMBIO ART PROJECTを担当してくださっている井上裕史さんの2名が参加しました。

今回は船の定員の関係で、アーティストが調査船に乗る機会は限られていました。そんななかでも、ウェーダー(胴長)を着てアマモを観察したり、海藻押し葉を作ったり、サンプル処理の作業を手伝ったりと、研究者や学生との交流を通じて、作品制作につながる学びを深める姿が印象的でした。  

ここからどんな作品が生み出されるのか楽しみです。

箱メガネで観察する有村さん
アマモの葉上生物や動物を仕分けるサンプル処理をアーティストも手伝う

啓発イベント

最終日には、一般向けの啓発イベントを行いました。

今回の啓発イベントは室内で実施し、セミナーと実験・観察をしました。長崎大学のグレッグ先生からはセンターの概要や研究内容についてご紹介いただきました。 その後タラ オセアンの活動や昨年発表した、マイクロプラスチックの調査結果なども紹介しました。ブルーカーボン生態系の光合成実験や生きもの観察では、大人も子どもも夢中になって参加している姿が印象的でした。

これまでの光合成実験では、BTB溶液の色が変わることで、その様子を可視化していましたが、今回はグレッグ先生に、光合成の量を数値で測定できる機器をご用意いただき、ご紹介することができました。

数値でみるブルーカーボン生態系の光合成実験 ©Manabu Ooue

ブルーカーボン生態系に住みついた動物を観察 ©Manabu Ooue
大人も夢中になって観察できるプログラムが魅力

参加者からは

「二酸化炭素、光合成の仕組みを目で見て知ることができ、よかった」

「プラスチックごみを減らすことを意識して生活したい」 などの感想をいただきました。 

啓発イベントにご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

また受け入れ対応してくださった長崎大学のみなさま、ありがとうございました。

長崎での調査と啓発活動を終え、プロジェクトは次の調査地である青森県浅虫へと向かいます。 

シェア