Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクト小豆島調査・庵治啓発イベントレポート
「Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクト」は、海藻や海草などのブルーカーボン生態系を科学的に調査し、その重要性を広く発信するプロジェクトです。今年度のTara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクトの調査は7拠点。4か所目は、香川県の小豆島で調査を行いました。

Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクトは、4月の下田を皮切りに、5月には長崎県の五島列島・上五島と高知県の土佐で調査を行いました。そして6月9日から14日には、香川県の小豆島での調査を実施しました。
今回の調査は、香川大学庵治マリンステーションを拠点に実施。ステーションには宿泊施設がないため、参加者は高松市内に滞在し、車で約30分、さらに船で約30分かけて小豆島へ移動するという、移動の多いスケジュールとなりました。また、調査期間中は天候に恵まれず、雨の中での調査や移動を強いられる過酷なコンディションでもありました。
そんな小豆島の藻場ですが、ホンダワラ系の海藻やひじきが生い茂っており、今までの調査地点と比べると一番豊かな藻場が広がっていました。
調査の様子
Tara JAMBIOではアーティストとのコラボレーションも行っていますが、今回の調査では、アートとの連携がひときわ際立ちました。庵治マリンステーションの隣には、「芸術未来研究場 せとうち分校」というアートの拠点があり、これは東京藝術大学、香川大学、香川県によるアート連携事業の一環として設立されたものです。この事業に関わる柴田早穂さん、菅野歩美さん、西原尚さん3名のアーティストが調査に参加しました。
さらに、一般向けのアートの啓発イベントも実施。午前中は科学視点でのプログラム、午後はアーティストとともに行うワークショップという構成で、科学とアートが融合した一日となりました。
午前の科学プログラムでは、マリンステーション前の浜でビーチクリーンをしたり、香川大学の一見先生によるプランクトンなどのセミナー、Tara JAMBIOチームからは、タラ オセアンについて、ブルーカーボンについてお話しました。また、ブルーカーボン生態系の光合成実験では、海藻が実際に酸素を作り出す姿を目にしていただきました。その後、プランクトン観察。目に見えない小さな生き物が海にはたくさんいることを知っていただきました。
午後のアートプログラムでは、実際の調査で採取した泥を使って絵を描くワークショップを開催。制作前には科学者によるレクチャーがあり、「泥にはたくさんのプランクトンが含まれており、それを材料として絵を描く」という新感覚の体験に、参加者からは「絵の上手・下手に関係なく楽しめた」といった声が寄せられました。