Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクト女川調査・啓発イベントレポート

「Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクト」は、海藻や海草などのブルーカーボン生態系を科学的に調査し、その重要性を広く発信するプロジェクトです。2025年度は全国7拠点で調査を実施し、その最終拠点となる宮城県・女川で調査と啓発活動を行いました。

Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクトは、4月の下田を皮切りに、5月には長崎県・五島列島(上五島)と高知県・土佐、6月には香川県と新潟県・佐渡、7月上旬に北海道・忍路で調査を実施。今回の女川調査は、7月21日から26日まで東北大学大学院農学研究科附属女川フィールドセンターを拠点に行われました。

調査

今回の調査は、普段牡蠣漁に使われている船をお借りして行いました。この船は前回のマイクロプラスチック共同調査でもお世話になったものです。
調査場所は、女川フィールドセンターから車で約15分の竹浦漁港東側の湾内です。

女川周辺にはアマモやアラメが茂る場所もありますが、今回の調査地点は海藻が突如としてなくなってしまう現象「磯焼け」が進んでおり、種の多様性は少なくホンダワラが中心でした。

アート

香川・佐渡・忍路に続き、女川でも「泥で描くワークショップ」を調査中に開催しました。研究者やアーティストに加え、今回はタラの動画制作の撮影のため来てくれた水中写真家・茂野優太さんも参加し、作品づくりに取り組みました。

異なるバックグラウンドの人々が集まり、同じ体験を共有し、海の状態や重要性を多角的に発信する――それがタラならではの魅力だと感じられる瞬間でした。

啓発イベント

最終日には、一般向けの啓発イベントをWPI東北大学変動海洋エコシステム高等研究所(WPI-AIMEC)と共催で実施しました。バスを貸し切り、盛りだくさんのプログラムを行いました。

まずは女川マリンステーションから車で30分の小屋取浜でビーチクリーンを実施。牡蠣養殖で使われるパイプなど、地域特有の漁業関連ごみが多く見つかりました。参加者からは「一般ごみが多いと思っていたが、漁業由来のごみも少なくないことを知った」との声が寄せられました。

その後はマリンステーションに戻り、セミナーと実験・観察を実施。東北大学・池田先生のご挨拶に続き、タラ オセアンの活動や調査内容を紹介しました。ブルーカーボン生態系の光合成実験や生きもの観察では、大人も子どもも夢中になって参加している姿が印象的でした。

啓発イベントの様子

2025年の調査は一旦終了ですが、来年以降も引き続きTara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクトにぜひ注目してください。

Tara JAMBIO ブルーカーボンプロジェクト

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