世界こどもの日 – 行動を起こした3組の子どもたち

11月20日は世界子どもの日。子どもの権利を訴え、促進し、より良い未来を築くための対話や行動を呼びかける日です。

タラ オセアン ジャパンと関わりのある3組の子どもたちが地球環境や、世界の子どもたちのために行っているアクションをご紹介します。



福岡県に住む小学5年生の袴着丈さんは、2021年から毎年タラ号ポスターコンクールに参加し、2023年には特別賞のタラ号賞を受賞しています。

タラ号ポスターコンクールの参加賞である、映画「マイクロプラスチック・ストーリー ~ぼくらが作る2050年~」を鑑賞した袴着さんは「自分も今すぐできることをやりたい!」と強く感じたといいます。

「まずはマイクロプラスチックを減らすためにビーチクリーンを始めました。そして使い捨てプラスチックを減らすために何ができるかを考えました。環境問題は子どもにはむずかしい、自分には関係ないと思う人もいるかもしれないけど小さな力でも、自分にだってできることがある!と感じるようになりました。」

袴着さんはさらに、仲間を増やしたいと考え、学校の友達にもこの映画を観てほしいと思うようになったとのこと。その熱意に答え、タラ オセアン ジャパンは、2024年3月に彼が通う小学校で「マイクロプラスチック・ストーリー」の上映を含む出前授業を行いました。

映画を観たあと、友達も環境問題に興味を持ってくれるようになり、今では、友達と公園で遊ぶときもゴミが落ちていれば一緒に拾うようになったそうです。「僕たちには自分たちの環境を守る権利があるのさ!」と映画のセリフを口ずさみながら、行動を続けています。

さらに、その活動は家族にも影響を与え、今ではおじいちゃんやおばあちゃんもマイボトルやマイ箸を持ち歩くようになりました。

今後の目標についても教えてくれました。

 「タラ オセアン ジャパンと出会って、地球環境について考えるようになり、たくさんのことを学びました。僕は本を読んだり実験をしたりするのが好きで、再生可能エネルギーについて調べ、風力発電の実験や水を使った燃料電池を作ったこともあります。これからも地球環境をよりよくするために、調べ、実験し、それを活かしていきたいです。」

将来の夢はパイロットになることだそうです。

 「飛行機は環境に良くないというイメージを変えられるような飛行機を開発して、地球環境についても伝えられるようなパイロットになりたい。」


愛知県に住む中学2年生の中條桃さん。彼女は2023年に初めてタラ号ポスターコンクールに挑戦し、2年連続で入賞しています。参加のきっかけは、前年の参加者の作品を見て「絵で自分の思いを伝えることができる」と知り、自分も挑戦してみたいと思ったからだそうです。

2023年のタラ号ポスターコンクール 応募作品

ポスターコンクールへの参加を通じて、身近な人々にも自分の考えを伝えたくなったといいます。

「そこで、描いた作品を通っている中学校に飾ってもらえないか、校長先生にお願いしました。」 

その熱意が伝わり、中條さんのメッセージとともに、ポスターは学校内の数か所に掲示されました。

また、彼女は普段の生活でも環境保護のアクションを起こしています。

 「プラスチックを完全に排除するのは難しいかもしれないけど、使う量を減らすことはできると思います。エコバッグを使い、使い捨てのプラスチックストローやスプーンは使わないようにしています。」

中條さんは、タラ号ポスターコンクールに参加した後も、いくつかの絵画コンクールに出品しました。受賞作品が市役所や百貨店、美術館に展示される機会もあり、たくさんの人に自分の作品を見てもらえる喜びを感じているそうです。

今年の「世界子どもの日」に合わせて絵を制作

「世界子どもの日のために描いた絵は、世界中の子どもたちが自分の目でたくさんのことを見て、幸せをつかめますようにという想いを込めて描きました。今後も、多くの人に自分の想いを届けるために絵を描き続けていきたいです。」


東京都に住む小学6年生のまおさんとななみさんは、読まれなくなった本を回収・販売し、その売上を全額寄付するプロジェクト「M&N DONATIONS」を行っています。第1回は、今年の4月に行い、地震の被害にあった石川県に寄付したそうです。

第2回は、2024年9月22日から23日にかけて開催され、今回は「海の環境を守るために寄付したい」という思いから、その収益をタラ オセアン ジャパンに寄付いただけることになりました。

このプロジェクトは、昨年のサマースクールで行った古本屋の活動を「自分たちだけでもやってみたい」と思ったことから始まりました。しかし、間借りする場所の交渉や、本の回収、宣伝など、すべて自分たちで行うのは大変だったとのこと。特に多くの方に来てもらうための広報活動が一番苦労したそうです。

9月に行われた2回目の古本屋イベント

今後の古本屋の活動についても教えてもらいました。 

「日本が直面している最も大きな問題の一つである“子どもの貧困”にも関連した寄付ができるよう、活動を続けていきたいです。」

最後に、お二人から一言ずつメッセージを頂きました。

ななみさん

「今、地球は私たちが出したゴミによってむしばまれています。また、災害で苦しい思いをしている人も多くいます。それをみんなが他人事と思わず、それぞれが自分にできることを行動に移せる世の中になったらいいなと思います。」

まおさん

「災害で苦しんでいる人や、プラスチックを食べてしまう魚や海鳥たち。そんな悲しい世の中を少しでも変えたいと思い、私たちは古本屋を開いて寄付活動をしています。私たちの活動をより多くの人に知っていただけたら嬉しいです。」

誰かが読まなくなった本を、処分するのではなく、必要な人に循環させ、その収益を社会課題の解決のために寄付をする、小学生の二人が始めたこの素晴らしいプロジェクトが多くの人に広まり、この循環の輪が続きますように。

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